
こんにちは!
今回はインターネットに潜む闇の部分についての記事です。
ダークウェブとは
みなさんダークウェブというものをご存知でしょうか?
ダークウェブとは、皆さんが普段使うGoogleやYahooと違い、特殊なブラウザを使わないと辿りつけないウェブサイトのことです。
違法なコンテンツがたくさんあるインターネットの超危険区域です。
出典:雑学ミステリー
サーフェイスウェブには普段僕たちが普通に使用するサイト。
ディープウェブ領域にはオンライン・バンキングやツイッターの鍵垢などID・パスワードを必要とするサイトなどがあります。
無数にあるように思えるGoogle、Yahooで検索できるサイトも実はウェブ全体で見たらほんの1パーセントに満たないのです。
ダークウェブにアクセスするにはTorという特殊なブラウザを使う必要があります。
これを使えば匿名化されたネットワークを使用することができます。
Tor自体は別に違法なものではないのですが、使用はおすすめしません。
ましてや、ダークウェブへのアクセスはPCがウイルスにやられたりその他もろもろ危険がたくさんあるのでもちろん推奨しません。
シルクロード
そんなダークウェブ領域に「シルクロード」というサイトがありました。(2013年にもうなくなっています)
簡単に言えば、違法版アマゾンです。
オンラインによる違法な物の売買に使われていました。
文字通りなんでも買えてしまうのです。
ポチっとクリックしたら家にそれが届けられます。
決算の際は、匿名性が高く追跡が事実上不可能なビットコインが使われました。
今でこそビットコインという単語はよく耳にしますが、ダークウェブにはもってこいのものでした。
Torとビットコインを使い、売買する人の匿名性を確保していたのです。
自由に監視されることなく物を取引できるよう作られたサイトがシルクロードというものです。
今回、このダークウェブのなかでも大規模なサイト、シルクロードを運営したロス・ウルブリヒトという人についてのノンフィクションを読んだのでご紹介します。
American Kingpin
シルクロードといわれるサイトを経営した、ロス・ウルブリヒトについてのノンフィクション作品。
著者はニック・ビルトンというジャーナリスト。
New York Times ベストセラー のこの書籍はシルクロード運営者ロス・ウルブリヒトがサイトを開発するところから逮捕後の裁判までを描いたものです。
政府に追跡されず物を売買できる場所をつくりたいという目的からシルクロードは開発されます。
サイト開発直後は商品がないので彼は自分で物を栽培し、出品していました。
そうこうするうちに、他の出品者も現れ、買う人も増えていき、このサイトは12億ドルを売り上げる大規模な闇市場にまでなります。
1320億円以上稼いだのです。
ロス・ウルブリヒトは元々物理学の院生でしたが、Amazonみたいなサイトをつくってしまうほどのプログラミングスキルを持っていました。
きっとPHPとかMySQLの天才的スキルをもっていたんだろうな。すごすぎ。
サイトの規模が大きくなるにつれ、薬の過剰摂取により使用者の命が奪われてしまうケースがでてきます。
シルクロードを通して入手したアイテムが原因で亡くなった人は最低でも6人と言われています。
直接会って取引する際によく問題になっていた怪我を負う等のリスクはオンラインでの売買により激減しましたが、簡単に危険性の高いものを入手できてしまうため、亡くなる人が増えたのも事実です。
多くの犠牲者が出たということもあって、彼は終身刑に科せられたのかもしれません。
もちろん、ただのサイト運営者なのにアメリカの事実上極刑ともいわれる刑を科せられるのはおかしいという意見の人もいます。
この書籍は、ロス・ウルブリヒト側の話と、捜査側の話が交互に展開されていきます。
捜査側は実際に彼のサイトを通して商品を買ったりとおとり捜査をしながら、近づいていきます。
どんどん解決に向かっていく様が読んでておもしろいです。
ロス・ウルブリヒトの彼女がでてくるパートも面白い。
逮捕されていることだし、もしかしたらアメリカはダークウェブの匿名性まで打ち破るなにかをもっているのかもしれませんね。
そしてなにより、著者であるニック・ビルトンの膨大な調査量もこの本のすごいところ。
大量のチャット履歴はもちろん、ロス・ウルブリヒトの幼少期時代までさかのぼって交友関係を調べ上げ、何百人の人と実際に会って調査をしたそう。
彼の歴代元カノたちや、さらには一夜限りの関係だった人にも調査をしたそうです。
それだけの調査量、面白くないはずがないです。
この本を読んで思ったのは、技術には良い面と悪い面が必ずあるということ。
技術者は良い面を見て物を開発します。
たとえば、3Dプリンターだって簡単に部品が作れて便利でしょーってことで発明されたものですが、実は、開発後いち早く3Dプリンターを用い作られたものは銃だったりします。
なんか色々考えされられます。とりあえず面白いです。
現在(2018年12月)、まだこの本は日本語に翻訳されていません。
一刻も早く邦訳の刊行が期待される洋書の1冊です。
著者の他の代表作にツイッター創業物語というのもあります。

以上、インターネットの闇の部分についてでした。
闇の部分じゃなくネットワークの基本を勉強するのに役立つ本はこちらから。

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