
本記事では海外の理系大学の授業内容について紹介していきます。
ヨーロッパの情報工学部ではどんな内容の勉強をしているのかについて。
僕は今ポーランドという国でエレクトロニクスとかコンピューターサイエンスの勉強をしています。
この記事では僕が2年前期に履修したクラスについて書いていきます。
1年時に履修した授業内容はこちらから。


情報工学部2年前期の授業内容
シグナルとシステム
信号処理の授業。
半分以上の学生が単位を落とす厄介な授業。
エラスムスという制度で他の国から来ている留学生は誰一人として単位を取れなかった悪魔の信号論。
どうやら2~3年連続でエラスムスの学生は誰一人としてこの科目をパスできてないらしい。
フーリエ変換の知識も必須の科目です。

内容はこちらの記事でも紹介した参考書を理解していればなんとかついていける感じ。

中でもこの英語の参考書が役に立ちました。
あとはこの本も↓
この本に関しては少し難しいし量もあるので全部は読まずに所々つまんで読んでました。
学習の流れは
- 直交性とフーリエ展開
- フーリエ変換
- フィルタ
- サンプリング定理
- パワー
- ランダムシグナル
- ノイズ
- 変調・復調
- ノイズ(変調)
という感じ。
過去問を入手してしっかりと対策してもパスするのがなかなか難しい科目。
アナログ回路I
アナログ回路についての授業。
↓授業ではこのテキストを使用。
Behzad Razavi さんの本はページ数こそ多いものの、分かりやすく取り組みやすかったです。
日本の参考書だと以下の記事で紹介したものレベルのことを授業でやりました。

学習した内容でここ重要だなと思ったポイントは、
- バイポーラトランジスタ
- バイポーラ増幅器
- オペアンプ
- 差動増幅回路
- 周波数特性
- フィードバック

と、こんな感じ。
エミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地といった基本的な内容はもちろん、与えられた回路のバイアスポイントや小信号パラメーターを求めたり、電圧ゲインを計算することができるかどうかも大事。
電気回路シュミレーション
PSpiceというソフトを使って電気回路のシュミレーションをする授業。
アナログ回路Iの授業で勉強した内容をパソコンでシュミレーションする授業でした。
- ミラー効果のシュミレーション
- バイポーラ増幅器のデザイン
- MOSFETについて
- オペアンプについて
- ノイズ分析
などをPSpiceを使って勉強。
一応こういう本も買ってみたはもの、実際にソフトを使ってみて分からないことを先生に質問した方が効率的でした。
PSpiceいまいちよくわからないのでLTSpiceというソフトのが良いなと思いました。
デジタル回路とプログラミングデバイス
デジタル回路についての授業。
内容はだいたいこの参考書でカバーできる範囲。
講義はAND,OR,NOR,NANDやカルノー図、クワイン-マクラスキ法、フリップフロップ、順序回路などについて。
- CMOSとFPGAにおいて論理演算を実行する際の違い
- シュミッタトリガ
- フラッシュADCやDigital Ramp ADC
などについてもちゃんと把握する必要がありました。
実験の授業は、vivadoというソフトを使用しVHDL言語でのシュミレーションについて勉強しました。
このソフトはややこしかった。
エラーだらけで嫌になった覚えがあります。
テストベンチの作成とか含め一つの課題をやるのにとにかく時間がかかった気がします。
課題では、
- 直列加算器
- nビット減算器
- 状態遷移マシンとしてのSerial comparator
- シフトレジスターのデザイン
- トラッキングADC
などについて。
フリップフロップ、カウンタ、レジスタ、メモリ、FSM、AD/DAコンバーターについてちゃんと理解することが重要かなと思います。
こちらのスライドには vivado でのシュミレーション方法が載っています。
参考までにどうぞ。
計算技術
MATLABを使った数値解析についての授業。
- ニュートン法
- ラグランジュ補間
- ネヴィルのアルゴリズム
- チェビシェフ多項式
- 回帰分析
- ルンゲクッタ法
といった内容をMATLABを使いながら勉強。
MATLAB初だったし色々大変でした。
テレコミュニケーション入門
テレコミュニケーションについての授業。
こちらで紹介した参考書を理解していれば問題ない。

- TCP/IP
- シグナル伝達
- ルーティング
とかを理解していればOKといった感じ。
具体的には、
- 符号誤り率
- OSIモデル
- ASK,FSK,QAM,PSK変調
- パケット交換と回線交換
- SNMP
などなど。
知的財産の保護
著作権とか特許についての授業。
法律とかについて。
そんなに授業回数もない科目。
体育
体育の授業が1年の前後期と2年前期の合計1年半もあるという不思議。
そんないらない。
最後に
シグナルとシステム、デジタルやアナログ回路がとくに大変な科目だったこの学期。

以上、ポーランドの大学の授業についてでした。

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